イベルメクチン, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=1130332 / CC BY SA 3.0
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イベルメクチン(INN: ivermectin)は、マクロライドに分類される経口駆虫薬である。
腸管糞線虫症、疥癬、毛包虫症の治療薬でもある。
商品名はストロメクトール(日本ではMSD(旧・万有製薬)製造、マルホ販売)。
放線菌が生成するアベルメクチンの化学誘導体。
静岡県伊東市内のゴルフ場近くで採取した土壌から、大村智により発見された放線菌ストレプトマイセス・アベルミティリス(Streptomyces avermitilis)が産生する物質を元に、MSDが創薬した。
線虫のシナプス前神経終末において、γ-アミノ酪酸(GABA)の遊離を促進することにより、節後神経シナプスの刺激を遮断する。
吸虫や条虫では、末梢神経伝達物質としてGABAを利用しないため無効。
イヌでは、犬糸状虫症の予防のために使用される。
犬糸状虫のミクロフィラリアが血中に存在しているイヌにイベルメクチンを投与すると、ミクロフィラリアが一度に死滅し、発熱やショックを引き起こす場合がある。
したがって、イベルメクチンを予防薬として使用する際は、犬糸状虫の感染の有無を検査する必要がある。
同効薬として、ミルベマイシン、ミルベマイシンオキシム、マデュラマイシンがある。
また、スピノサドと共用したり、コリー系に使用したりすることは、ミクロフィラリアが存在しなくても、上記のことを引き起こすことがあるため、イベルメクチンは使用禁止となっている。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックの間に、イベルメクチンは新型コロナウイルスの治療と予防に有益であると主張する不確実な情報が広まった。
そのような主張は、信頼できる科学的証拠に裏付けられていない。
イベルメクチンは、無脊椎動物の神経・筋細胞に存在するグルタミン酸作動性Cl−チャネルに特異的かつ高い親和性を持ち結合し、Cl−に対する細胞膜の透過性を上昇させる。
これにより、Cl−が細胞内に流入するため神経細胞や筋細胞の過分極が生じ、寄生虫が麻痺を起こし死滅する。
日本では、診療報酬適応疾患として、腸管糞線虫症、および疥癬がある。
糞線虫では2回、疥癬では1回服用できる(一般論としては、孵化していない虫卵に対しては効果がないため、2回服用が好ましい)。
2回内服する場合は1 – 2週間空ける。
旋尾線虫によるcreeping disease に効果があったとの報告もある。
重大な副作用に、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis: TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)がある。
1981年に、ヒトよりも先に動物へ投与された。
ウシ・ヒツジの捻転胃虫(Haemonchus)、オステルターグ胃虫(Ostertagia)、 毛様線虫(Trichostrongylus)、クーペリア(Cooperia)、腸結節虫(Oesphagos-tomum)に対し駆虫性を有するほか、糞線虫属(Strongyloides)に感染したイヌ、ウマに対して駆虫性を有する。
さらに、ウマにおける頸部糸状虫(Onchocerca cervicalis)のミクロフェラリアに対しても有効である。
一方、牛用駆虫剤イベルメクチンを投与された後は、排出糞中に3週間程度検出され、ハエ(ノサシバエ、キタミドリイエバエ)の幼虫の死亡と蛹化率低下が報告されている。
あわせて、畜舎周辺で捕獲されるハエ類の減少も報告されているが、ハエ類が減少しているため、糞分解活動も抑制される。
イヌ、ネコに寄生するヒゼンダニの一部に、イベルメクチンに対し薬剤抵抗性を有した事例の報告がある。
例えば日本では、ウマに対する一日摂取許容量として0.001mg/kg体重/日が設定されている。
イベルメクチンはクリアランスが極めて低く、また血中イベルメクチンの93%程度はアルブミンと結合している。
肝臓で代謝を受けたイベルメクチンはヒドロキシル誘導体となるが、これら誘導体の水溶性は低く、ほとんど尿中排泄されない。
このような化学的・薬理学的性質から、血中半減期はかなり長く(およそ47時間程度)、なおかつ上記の通り、致命的な副反応はほとんど見られないために、臨床上大変有用な薬物である。
また、経口投与後のイベルメクチンは、脂肪細胞と肝臓細胞に局在する。
そのため脂溶性が著しく高いと予想され、すなわち血液脳関門を容易に通過できるは…