抗寄生虫薬イベルメクチンの開発(ノーベル医学生理学賞2015)

2015年度のノーベル医学生理学賞を受賞した抗寄生虫薬の開発についてです。大村智博士とウィリアム C. キャンベル博士が開発されたイベルメクチン(商品名:ストロメクトール)です。抗ウイルス薬としても使える可能性を指摘されおり、最近ではCOVID19(新型コロナウイルス)の薬の候補にも名前が挙がっているようです。
大村博士が新種の放線菌ストレプトマイセス・アベルメクチニウス(Streptomyces avermitilis)を発見し、線虫の増殖を抑えるアベルメクチン(Avermectin)という新しい化合物を見つけました。さらに、キャンベル博士らの尽力でアベルメクチンから人にも使用可能なイベルメクチンが開発されました。大村博士とキャンベル博士の共同研究は元々は家畜を寄生虫病から守る目的だったようですが、イベルメクチンは南アメリカ・アフリカの貧困国で問題になっていたオンコセルカ症・河川盲目病にも効くことが分かり、多くの人を救う薬となりました。
イベルメクチンの作用メカニズムは分子レベルでわかっています。イベルメクチンは無脊椎動物のグルタミン酸作動性Cl−チャネルに特異的に結合することができ、線虫や節足動物の神経・筋肉を麻痺させて死に至らしめます。

*抗生物質(ペニシリン)の話はこちらでも↓
【ウイルスとは何か?】その1:バイ菌・雑菌・細菌とどう違う?抗生物質はウイルスに効くか?

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